【アイサポ防災コラム】その45:2021年を振り返って
今年は東日本大震災から10年経ちました。本来ならば多くの防災イベントが行われたはずですが、新型コロナウイルス感染拡大でオンラインに切り替えて実施したイベントも少なくありませんでした。
発生が心配されている南海トラフ巨大地震の評価検討会は、今月の定例会合で「特段の変化は観測されていない」と発表しました。しかしトカラ列島付近で粒の大きな群発地震が発生、伊豆大島近海の群発地震や北関東でも粒の大きな地震が起きていて、日本周辺は落ち着かない状態です。
そして12月21日に、北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」での巨大地震と津波の被害想定が公表され、死者は日本海溝の地震で最悪19万人を超えるというニュースが飛び込んで来ました。国は減災対策や自治体への支援策を検討する方針ですが、人ごととせずに我が家の防災対策を再確認して下さい。
忘れてはいけないのが7月3日に死者行方不明者27人を出した熱海市伊豆山の大規模盛り土崩壊で、一刻も早い崩壊防止対策が必要です。
12月にアメリカで史上最大規模の竜巻が有りましたが、静岡県内でも突風や竜巻の被害がありました。
新型コロナウイルス感染者は増減を繰り返していますが、新異変種オミクロン株の感染拡大が心配です。どこへ行っても消毒用アルコールが置かれており、街の中を歩く人は皆マスクをしていて、カラフルなマスクや透明のお面=フェイスガードも違和感がなくなりました。黙食という言葉も流行りましたし、透明のアクリル板やビニールシートもあちこちに見られます。しかし感染者が減ってきたことで、あれ程言われていた「三密」が緩んでいるのではないかと心配になります。
そして子供たちを中心にノロウイルスが増え始めました。ノロウイルス対策では手指をアルコール消毒しただけでは防げないそうで、石鹸でしっかり洗うことが必要だと言います。
今年はコロナ禍で生活面でも大きく変わった方も多いと思います。企業では在宅勤務、学校ではオンライン授業がまだ続いているところも多く有ります。オンラインでの仕事や授業は一長一短ありますが、私は対面でのコミュニケーションが大切なことを痛感しました。
来年は新型コロナ感染拡大が収束して、もとの平穏な日常に戻ることを願うばかりです。
(防災アドバイザー 郷隆志)