【アイサポ防災コラム】その46:トンガの津波情報はなぜ遅れた?

新年早々、オミクロン感染拡大は当初の予想を大きく上回り、静岡県もまん延防止等重点措置が発表され、より感染防止対策が重要になっています。
そして22日午前1時8分ごろ、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西の端である日向灘を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、大分県と宮崎県で最大震度5強の揺れが観測され、南海トラフ巨大地震の前触れかとヒヤッとしました。
ところで今月15日に南太平洋のトンガ付近で発生した大規模な海底火山の噴火で、噴火により発生した津波の高さは最大で15メートルに上ったとされ、トンガ政府はこれまでに3人の死亡と多くのけが人が出ていることを明らかにしました。
気象庁は当日午後7時ごろの発表で、若干の海面変動が予想されるが被害の心配はないと発表しました。しかし午後8時ごろから海面の潮位に変化が観測され始めたものの、その時点では海底噴火に伴う津波とは想定していませんでした。そして午後11時以降に1メートルを超える津波が観測され、ようやく津波警報や注意報を発表することにしました。御前崎港で70センチの津波が観測されましたが静岡県内では被害はありませんでした。
なぜ発表が遅れたのかについて、今回の潮位の変化は通常の津波とは異なると考え、今までこういった現象は確認していないとし、津波の発生メカニズムが分からなかったと言っています。
気象庁は国土交通省の組織の一つですが、その国交省のホームページによりますと、津波は海底で発生する地震に伴う海底地盤の隆起や沈降、海底における地滑りなどにより引き起こされるものが一般的ですが、海底火山の爆発、海岸付近の火山による土砂の大規模崩落などもあると書かれています。
津波からの避難は徒歩が原則ですが、土佐清水市では車での避難で渋滞し、ほとんど動いていない状況があり、東日本大震災の教訓が活かされませんでした。
171の島からなるトンガ王国の被害の全容は、通信機能のマヒなどで分かっていませんが、家屋の被害も深刻で、火山灰によって水の供給に大きな影響が出ていて、日本を含めて各国が支援に当たっています。
日本とは縁の深い国で、東日本大震災の時には支援を受けており、今度は日本が支援する番で、一刻も早い噴火の収束と復興を願うばかりです。
(防災アドバイザー 郷隆志)

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