【アイサポ防災コラム】その92:津波観測網強化へ
津波情報などに活用する観測地点が追加され、 11 月 20 日から南海トラフ海底地震津波観測網沿岸システムの活用が始まりました。
気象庁は、これまでも大学などの研究機関の協力を得て、沿岸の津波観測点や沖合に設置された海底津波計及び海底地震計の観測データを、津波警報や津波情報の発表などに活用していましたが、国の研究機関=防災科学技術研究所が、南海トラフ地震発生時の被害軽減や防災科学技術の発展を目指して、南海トラフ地震の想定震源域のうち、観測網が設置されていなかった高知県沖から日向灘にかけての西側の海底に、地震計と水圧計を備えた「南海トラフ海底地震津波観測網」を整備しました。その結果、沖合の津波観測点は 250 地点から 268 地点に増え、沖合システムと沿岸システム全体を津波情報へ活用することで、津波の検知が最大で約 10 分早くなり、津波警報等の更新と津波情報の発表の迅速化や精度の向上が図られたということです。
津波は海が深いほど速く伝わる性質があり、沖合ではジェット機並の猛スピードで伝わりますが、津波が陸地に近づくにつれて海底が浅くなるほどスピードが遅くなるため、減速した波に後から押し寄せる波が追いついて乗り上げてしまい、津波の高さが増幅されます。
静岡県の想定では、静岡市駿河区の安倍川河口付近の想定波高は 10 ㍍、その先の清水区との境付近では 12 ㍍、さらに北東側の清水区の三保半島先端では 6 ㍍と、海底の深さで津波の高さが変わります。
南海トラフ地震津波観測網の強化で、生命を守る情報発信に期待されますが、浸水した津波の速さは、時速 40 ㎞から 50 ㎞と街中を走る自動車並みの速さで、陸上競技の短距離選手が全力疾走しても逃げ切れません。海岸に押し寄せる津波を見てからの避難では間に合いません。
海岸付近で強い揺れを感じたら津波警報の発表を待たずに大至急避難してください。
11 月の地震防災強化月間に続いて、 12 月第 1 日曜日の7日は地域防災の日です。
静岡市立豊田中学校体育館でも、 12 月 6 日土曜日午後3時から「避難所のよう支援者支援」をテーマに、リアル HUG 、座談会、避難所宿泊体験等が参加無料で行われます。また駐車場で車中泊も可能です。
地域の防災訓練に参加したり、我が家の防災チェックをしたりしてください。
(防災アドバイザー 郷隆志)