【アイサポ防災コラム】その7:台風24号から学ぶ

先月、今年は自然災害が多いとお話をした直後、9月30日から10月1日にかけて台風24号が静岡県内を暴風雨を伴ってかすめて行きました。その為に予定されていたシズウエルでの防災フェアが参加者の安全を考慮して中止となりました。
この台風24号により静岡県西部中部を中心に71万戸余りが長時間の停電に見舞われ、山間部では送電線トラブルのほか、道路障害などで停電復旧に1週間もかかった地域もありました。停電すると水道も断水し、携帯電話基地局も非常用バッテリーが上がってしまって送受信出来なくなった地域が多数ありました。スーパーやコンビニはレジが使えず電卓で営業した店舗もありましたが、冷凍食品などは売り物にならず、パンやインスタント食品は売り切れが続出しました。
交通信号や街灯も停電したため交通事故が多発。電車やバスも計画運休し、翌日も運転再開にかなりの時間が掛かり大きな影響が出ました。
オール電化の家庭では炊事が出来ず、まだ暑いときなのに風呂もエアコンも使えませんでした。
今回の台風で受けた影響は、大地震対策でも活かせる重要な教訓がたくさん有りました。
情報収集に必要な携帯ラジオの電池がなくなってしまったり、スマホや携帯電話のバッテリー切れただけではなく、携帯基地局の障害があったりで防災ツールとしては不安を残しました。普段は便利なスマホも、大地震直後には使えなくなる恐れがあります。その点携帯ラジオはスマホや携帯電話と比べて電池の消耗が少なく、放送局からの電波も受信し易く安心です。
食料の備蓄が少ない家庭では心配したことと思いますが、食材と水は1週間分以上必要です。
大地震の時にはガスが停まる恐れがありますが、カセットコンロと予備のカートリッジがあれば、暖かい食事を作くることが出来ます。
そして買い物などでカードやATMが長時間使用出来ず、現金の持ち合わせがなくて困った人も大勢いました。長期間の停電に備えて多少の現金も用意したいものです。
非常持ち出し袋に入れておきたいものは、乾パンやカロリーメイトなどの非常食のほか、身体障害者手帳や健康保険証等のコピー、薬の予備とお薬手帳のコピー、口腔ケアの為に歯ブラシやガム、熱中症対策に塩飴、防塵用使い捨てマスク、携帯ラジオと予備の電池、携帯電話用の充電器があると安心です。
台風24号は、大地震対策に活かせるポイントを幾つも教えてくれました。
(文:静岡県地震防災アドバイザー 郷 隆志)

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