【アイサポ防災コラム】その9:2018年の自然災害を振り返って
今年は自然災害が多発した年でした。
6月に大阪府北部の地震。9月に北海道胆振東部(いぶりとうぶ)地震が発生。
7月には西日本豪雨災害(平成30年7月豪雨)。
9月には関西空港に大きな被害を出した台風21号と、静岡県西部中部の広域で長時間停電するなど大きな被害を出した台風24号など、大きな災害が続きました。
ところで去年9月に、南海トラフ沿いで100~150年周期で繰り返す東海地震などの大地震は、確度の高い予測は出来ないと国の中央防災会議が発表して以来続けられてきた、南海トラフ沿いの異常に備えた防災対応を検討してきた国の中央防災会議有識者作業部会が、先日提言をまとめ、新たな防災対応の方向性が固まりました。
それによりますと、南海トラフ沿いで大地震が起きる恐れが普段より高まった場合に、国の号令で自治体や企業、住民があらかじめ検討していた防災対応を一斉に実施するとしています。
しかし新たな仕組みはこれまでのような確度の高い予測を前提としないため、なるべく普段通りの生活や事業を継続しながら地震の発生に警戒する防災対応が求められています。避難を必要とする人やその避難先、自主的に避難する人をどうするかなど課題はたくさん有ります。
今後、国はガイドライン作成に着手し、静岡県も国と並行して静岡県版ガイドラインの作成を始めることになります。
一日も早く具体的なガイドラインが出来ることを願いますが、大地震は明日起きるかも知れません。我々が今すぐやらなければならないのは、家の耐震化と家具の固定。水と食料の1週間分以上の備蓄が必要です。
静岡県第四次地震被害想定によりますと、静岡県全体で被災した半分くらいの人は避難所に入れません。特に浜松市中区では1ヶ月経っても12万人余りが避難所に入れません。避難所に行かなくても良いように、各自が防災対策を確認して下さい。防災の基本は自助・共助です。
皆さんに30年にわたって利用していただいた静岡市葵区駒形通の静岡県地震防災センターは、12月28日から2020年3月まで、リニューアル工事のため長期間休館になります。新装オープンをご期待下さい。
皆さんにとって来年は良い年になりますようにお祈り致します。
(文:静岡県地震防災アドバイザー 郷 隆志)