【アイサポ防災コラム】その11:3.11を忘れるな

2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震=東日本大震災から8年になろうとしています。静岡県内でも揺れ幅の大きい震度4から震度3を記録し、県内の海岸に津波警報が出され、新幹線や東海道線などが長時間止まりました。
この大地震で死者、行方不明者、災害関連死を合わせると2万2千人以上の方々が尊い命を失いましたが、90%以上は大津波に呑まれてしまった溺死でした。また避難所での厳しい冷え込みで体調を崩したり、歯磨きができずに雑菌がいっぱいの唾液が肺に入ってしまって起きる肺炎=誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を発症したりして亡くなった災害関連死は3700人を超えています。その災害関連死の8割以上は高齢者でした。
2月16日にシズウエルで行った防災講演で、津波に呑み込まれて奇跡的に助けられた宮城県石巻市の視覚障害と体が硬直して動きにくい障害を持った女性の生の声をご紹介しました。激しい揺れの直後、2階から這うようにして外に出たものの地面に座り込んで動けなかったところを、隣の家の娘さんが気づいてくれて一緒に避難しようとしましたが、大津波が襲ってきて2人とも流されました。そして奇跡的に近くの工場の中の中2階に流れ着きました。夜になって津波が引いてから雪が降る真っ暗闇の中を全身ずぶ濡れの状態で外に出て避難所に向かおうとしましたが、町の中は津波が残していったヘドロがいっぱいで歩くのが困難な状況でした。その後大勢のサポートがあって避難出来ましたが、この女性が奇跡的に助かったのは普段から隣近所とのコミュニケーションがあったからでした。
1人で居る時に大地震が発生した場合、普段お世話になっているガイドヘルパーさんや民生委員さんも被災していて、直ぐに助けに来てくれることは困難で、隣近所の助けが必要です。
視覚障害者には一般の避難所での生活は過酷です。静岡県第四次地震被害想定によりますと、静岡県全域の平均で被災者の半分は避難所に入れないことから、静岡県は晴眼者にも避難所に来るなと言っています。是非、自宅生活を考えて下さい。その為には家の耐震化と家具等の転倒防止が第一です。そしてその瞬間に自分自身の判断で安全行動をとることを考えて下さい。
日頃から周辺の環境を正しく知ることと、何度も繰り返しイメージトレーニングをして下さい。
このコラムのタイトルにあるように、「生き延びなければ、その先はない」。まず命を守ることです。
(文:地震防災アドバイザー 郷 隆志)

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