【アイサポ防災コラム】その16:猛暑の避難生活は?

梅雨明け直前の22日夜、浜松市南部などに記録的短時間大雨情報が出るなどの豪雨となり、県西部方面を中心に各地に警戒レベル4の避難勧告が発表され、避難所が開設されました。
夏場の地震、台風や豪雨災害での避難生活は命に関わる過酷な状況となります。
平成30年6月の大阪府北部地震。昭和49年7月7日の静岡市を中心におよそ2万4千棟の家屋が浸水し、死者27人を出した七夕豪雨。平成30年7月の西日本豪雨。平成30年9月3日の台風24号は、静岡県西部・中部地方を中心に最大7日間の超広域大停電があり、その為に断水や携帯電話の不通が続くなど生活に大きな影響が出ました。
いずれも暑い時の災害で、被災地の避難所には大勢が押しかけてすし詰め状態となり、冷房は無く風通しも悪いことなどから蒸し風呂状態で、熱中症が多発しました。特に西日本豪雨災害では高齢者の病気が悪化して亡くなる、いわゆる災害関連死が多発しました。
車での避難生活は、ワンボックスカーのように後部座席をベッドとして利用できれば理想ですが、セダンタイプの車での避難生活で特に気をつけたいのが、エコノミークラス症候群です。
座席で長時間座ったままの状態でいますと、足の血管に血の塊、血栓が出来て、最悪死に至る恐ろしい病気です。それを防ぐには定期的に車の外に出て運動をすること、十分な水分を採ることです。血栓症防止の医療用弾性ストッキングも効果があります。
そして熱中症対策として普段よりも多めの水分と塩分をとることが必要で、塩飴も有効でしょう。
大災害が起きても安全が確認されれば、過酷な避難所より自宅での生活が一番です。
自宅で電気・ガスが止まっていても、カセットコンロがあれば暖かい食事を作ることが出来ますので、きちんと三食とることです。食べなければ便秘の原因になります。過去の大災害で重度の便秘で救急搬送されたケースが多発しました。
視覚障害者にとって避難所の中でのトイレ行きなどは1人では困難で、トイレを我慢しがちになり、食事や水分を控えることで便秘に加えて脱水症の恐れもあります。
地震などが起きても避難所に行かなくても済むように家の耐震化と家具の転倒防止、水・食料の備蓄、簡易トイレなど、今こそ整えておく必要があります。
(文:防災アドバイザー 郷 隆志)

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