【アイサポ防災コラム】その18:切り傷には台所用ラップを使おう

9月8日から9日にかけて伊豆半島をかすめて強い勢力で千葉市付近に上陸した台風15号。
伊豆半島や関東地方南部を中心に暴風と豪雨となり、特に千葉県では家屋の損壊や長時間停電など多くの被害が出ています。
最大瞬間風速は千葉市中央区で57.5メートル、賀茂郡東伊豆町稲取では48.3メートルを観測しました。
雨は伊豆市天城山で1時間に109ミリの豪雨となり、降り始めからの総雨量は伊豆市天城山で450.5ミリ、伊豆市湯ケ島で308.5ミリ、賀茂郡東伊豆町稲取で217.5ミリを観測しました。
静岡県内では、幸い大きな被害はありませんでしたが13人がけがをしており、そのうち8人は割れた窓ガラスの破片で軽傷を負っています。
ガラスの破損によるけがを防ぐには、雨戸やシャッターを閉めるのが一番ですが、それが出来ない場合はカーテンを引いて窓際から出来る限り離れた場所で過ごすことです。地震対策で薦めているガラスの飛散防止フィルムも効果があります。但し永年紫外線を浴び続けているとフィルムが劣化して効果は無くなります。フィルムにヒビが入っていたら新しいものに貼り替えましょう。
けがをしてしまったら、すぐに手当が必要です。昔はナイフや包丁で手を切ったり、擦りむいたりすると、オキシフルやアルコールで消毒して赤チンを塗るというのが、ごく普通に行われていましたが、今はそんなことはしません。
私が現役の外科医に教えて貰った、至って簡単なラップ療法をお薦めします。
まず傷口をきれいに洗ってガラスの破片などを取り除きます。水が無かったらお茶やジュースでも構いませんがアルコール消毒は絶対にダメです。傷口を治そうとする細胞を殺してしまうからです。但し夏場などは化膿し易いのですぐに行うことです。
傷口を洗って綺麗な布で軽く拭いたら、傷口を台所用のラップで巻きます。ヤケドなどもそうですが傷口が痛みを伴う時はワセリンをラップに塗って巻きます。1日1回ラップを巻き替えてください。その結果、傷口の治りが早く、傷の痕が目立ちにくくなります。
私が足の指をけがしたときに実践しましたが、ざっくり切れてしまった傷口は、いまでは傷痕が全く分からなくなっています。
非常持ち出し袋に是非、台所用のラップを入れておいてください。
(文:防災アドバイザー 郷 隆志)

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