【アイサポ防災コラム】その21:今年を振り返る

今年も自然災害の多い1年でした。
台風15号は伊豆半島や房総半島などが暴風に見舞われ、台風19号は静岡県をはじめ関東・甲信越から東北地方の各地が観測史上最大の豪雨となり、洪水や氾濫等で甚大な被害が出ました。気象庁から大雨特別警報や氾濫発生情報などが発表され、市町からはレベル3の避難準備等高齢者避難や、レベル4の避難勧告、避難指示が繰り返し発表されました。しかし多くの人が避難出来なかったり避難せずに、犠牲になったりヘリやボートで救出されたりしました。視覚障害者や高齢者などはレベル3での避難開始が必要でした。
気象庁では特別警報だけでなく、危険度の高まりに応じて警報や注意報も発表しています。段階的に発表される気象情報、注意報、警報や土砂災害警戒判定メッシュ情報等をスマホやインターネットで調べることが出来ますので、市町からの防災情報と合わせて早めに安全行動をとってください。特別警報が発表されないからといって安心することは禁物です。
地震は相変わらず全国各地で発生していますが、幸い大きな被害はありませんでした。
ところで新年1月17日は、兵庫県南部地震=阪神淡路大震災が起きて25年になります。明け方5時46分に発生したこの地震は、淡路島北部を震源とするマグニチュー7.3。神戸市などで震度7、静岡県内でも各地で震度2を記録しました。都市直下型のこの地震で死者は6434人、負傷者約4万4千人、住宅の全壊約10万5千棟を超えました。
当時、神戸には地震は起きないと信じられていて、地震への備えは皆無に等しい状況でした。
自分の住んでいる場所が地震や山崖崩れ、洪水や津波などの危険があるかどうか、市町が公表しているハザードマップで確認してください。そのハザードマップは絶対ではありませんので、危険と思ったら一刻も早く避難するなどの防災行動が必要です。
我々は大自然の前でもっと謙虚になるべきです。来年こそ、災害のないことを願うばかりです。
神社やお寺に初詣に出掛けて、家内安全を祈願する人が多いと思いますが、その前にやるべきこと、それは命を守る為に家の耐震化や家具の固定をすること。台風や地震が起きても困らないように水や食料の備蓄など、事前の対策が第一です。
みなさん、どうぞ良い年をお迎えください。
(文:防災アドバイザー 郷 隆志)

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