【アイサポ防災コラム】その62:各地で多発する地震は大地震の前ぶれ?
5月22日から伊豆諸島の新島・神津島近海で地震が続いており、22日夕方のマグニチュード5.3の地震は利島で震度5弱を。県内でも伊豆半島を中心に震度3~震度1を記録し、その後も地震が続いています。
伊豆諸島、能登半島、千葉、鹿児島などで粒の大きな地震が頻発しており、大地震の予兆ではないかと心配する人が少なくありません。
5月5日に地震の規模を示すマグニチュード6 . 5、能登半島の珠洲市で最大震度6強を記録しました。能登沖では、2年前から長期の群発地震が発生しており、能登地方の地下に流入した大量の流体によるものではないかという説もありますが、はっきりとした原因はわかっていません。
5月11日明け方発生した千葉県南部を震源とするマグニチュード5.2、最大震度5強の地震は、千葉県のほか東京都心や横浜市でも震度4を観測するなど、関東の広い範囲が揺れました。千葉県南部はフィリピン海プレートが南から沈み込み、その下に太平洋プレートが東から沈み込む世界でも例のない複雑な構造になっていますが、今回の地震は太平洋プレートにぶつかる辺りの場所で起きています。
13日夕方、鹿児島県のトカラ列島近海を震源にマグニチュード5.1、十島村で震度5弱の揺れを観測しました。この震源付近は時々、ややまとまった地震活動がある場所です。
5月14日から伊豆諸島の八丈島近海で地震が頻発し、このうち14日夕方の地震は、マグニチュードは5 . 6で、神津島村で最大震度3、県内では松崎町と南伊豆町で震度2、ほか広い範囲で震度1を観測しました。
そして22日から伊豆諸島の新島・神津島近海の地震が起きるなど、わりと粒の大きい地震が多い5月でした。
以前にも書きましたが、地球の表面は10数枚のプレートに覆われており、日本列島は、北米プレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート、そして我々が住む静岡県が載っているユーラシアプレートの4つがあります。
一連の地震は、それぞれ別のプレートで起きていること。それぞれの距離が離れていること。観測機器に巨大地震発生の兆候は観測されていないことなどから、直ぐに巨大地震が起きることは考えにくいと思われます。
いつ大きな地震が起きても困らないように生き延びる備えを再確認して下さい。
(防災アドバイザー 郷隆志)