【アイサポ防災コラム】その65:ひとごとではない関東大震災!

9月1日は関東大震災から100年になります。
関東地方だけの大震災と思っている人が多いのですが、実は静岡県内でも大きな被害が出ています。
伊豆半島東海岸を中心に、今の震度階級に換算すると震度6強の大きな揺れにみまわれ、
死者・行方不明者400人余り、建物の全半壊1万2500棟、津波により流失した家屋661戸の被害が出ました。
この地震は1923年(大正12年)9月1日午前11時58分に、神奈川県西部の深さ23㎞を震源とするマグニチュード7 . 9の大正関東地震で、被害が大きかったので関東大震災と呼ばれています。
当時の震度階級は震度0から震度6までの7階級で、この地震で埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨の各県で震度6=今の階級で震度7を観測したほか、静岡県東部をはじめ北海道から中国・四国地方にかけての広い範囲で震度5から震度1を観測しました。
地震発生が昼時であったため、台所から出た火が各地で大火災になり被害が拡大しました。
当日は三陸海岸に進んだ台風などの影響の為不安定な天気で、特に川沿いで起きやすい炎の竜巻=火災旋風が発生して多くの焼死者を出しました。
先日、静岡市駿河区で発生した複数の竜巻も安倍川沿いで起きています。
関東地震の震源域が相模湾内にあったため、三浦半島から伊豆半島東海岸に大津波が発生し、熱海市では高さ12mが記録されており、早いところでは地震発生後5分程度で津波が襲って来ました。
現在の伊東市宇佐美地区では、当時から津波への備えと教えがあって、多くの人が高台に避難して助かったという記録があります。
近年は地震や津波等の観測網が格段に進んで、様々な情報が短時間で発信されますが、大きな揺れが起きたら情報を待つことなく、直ちに安全確保をして下さい。
大津波警報は5mを超える時に出され、木造家屋が全壊や流失し、人は津波に巻き込まれる恐れがあります。沿岸部や川沿いにいたら、直ちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難して下さい。
津波の高さが1m~3m未満に出される津波警報でも、同様の避難が必要です。
南海トラフ巨大地震や関東地震、首都直下地震の発生が心配されています。
9月1日の防災の日を機会に家具の固定や非常食を含む非常持ち出し袋の確認、食料や電池の備蓄などを確認して下さい。
(防災アドバイザー 郷隆志)

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