【アイサポ防災コラム】その75増刊:七夕豪雨から50年!
この7月7日は七夕豪雨から50年になります。
静岡市で24時間の降雨量が508ミリを記録する豪雨でした。
台風第8号や太平洋高気圧の縁を回り込む暖かく湿った気流の合流により、帯状に分布した雨雲が7日夜から8日明け方にかけて静岡県沿岸部に停滞したためで、今で言う線状降水帯の発生でした。
静岡市内を流れる安倍川流域と、静岡市と清水市の巴川流域の各地で堤防の決壊や氾濫、山崖崩れや土砂崩れが多発し、死者27名、建物の全壊や流出家屋数32棟、床上床下浸水は会わせて約2万6千棟が被害を受けました。
また浜松市で死者8人、沼津市で死者5人、森町、富士市、三島市でそれぞれ1人が死亡しました。この七夕豪雨で清水市内を走っていた路面電車が廃止になりました。
この日は参議院選挙と県知事選挙の投開票日で、私は参議院議員候補の選挙事務所担当で、私のSBSは録画を撮って局に運んで放送する予定でした。ところが、代表インタビューする幹事社であるテレビ静岡の了解を取って事前収録していた最中に、NHKが当選確実を速報スーパーしたため、テレビ静岡は私のインタビューを生放送し、自分の局より他局に先に出てしまうということになりました。
選挙取材を切り上げて豪雨報道に入りましたが、中央地下道は浸水しており東海道線を跨ぐ宝台橋を渡って一旦局に戻りました。
当選議員がテレビ静岡に出るため、同僚のディレクーが当選議員に同伴して栗原に向かい、出演終了後にディレクーを迎えに4輪駆動車で出たのですが、カネボウ通りは川になっており歩道に乗り上げて運転しました。
当選議員がNHKに移動する足がないので、私の運転で西草深のNHKまで送り届けました。途中、駿府城公園の堀の水は溢れていました。
明け方から丸山町の浅間山リフトの鉄塔の土台から大規模土砂崩壊が起きた現場で全国中継等をやり、午後に松富の鉄砲水で住宅が流された現場に向かい、全壊した家の中から親子二人の救出を手伝いました。夕方の全国中継の為に移動した北安東から麻機にかけては広大な湖が出現していました。
この豪雨災害を契機に麻機遊水池や大谷川放水路の整備が行われました。
近年地球温暖化の影響で豪雨災害が多発しています。
気象情報は精度がアップしていますが、命を守る為には早めの対応しかないと痛感しています。
大自然の前でもっと謙虚になろう!
(防災アドバイザー 郷隆志)