【アイサポ防災コラム】その77:南海トラフ地震臨時情報と台風7号は空振り?

8月22日から23日に掛けて静岡市駿河区で200㎜、清水区で300㎜を超す豪雨になるなど、静岡県西部、中部で大雨となりましたが、被害は有りませんでしたか?
ところで南海トラフ地震は起きずに1週間で臨時情報の呼びかけは終了し、強い台風7号の大きな被害は殆ど無く、東海道新幹線の丸1日行われた計画運休も、翌日の始発から平常運転されました。
お盆の帰省や旅行を中止したり延期したりした方も多く、観光地などの宿泊や観光業者は大きな影響を受けたようです。
これらの事前対応を、気象庁やマスコミに脅されたとか、やり過ぎだとか思った人も少なくなかったようですが、私はどちらの対応もそれぞれ根拠があって 早めの対応をしたことで多くのメリットもあったと思っています。
8月8日夕方、宮崎県で震度6弱の揺れを観測するマグニチュード7 . 1の大きな地震があり、気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表しました。気象庁会見やマスコミも、直ぐに南海トラフ巨大地震が発生するということではなく、発生確率が高くなったということを繰り返し発信し、防災対策を確認をしなさいと呼びかけていましたが、早とちりをしたりSNSの不確かな情報を信じたりして、巨大地震が来ると思い込んで行動した方もいたようです。
この機会に、いつ大地震や風水害があっても困らないように、水や食料は日常の食材を含めて2週間分以上を備蓄し、食べたら補充する、また食べたら補充する=ローリングストックをして下さい。非常食とは緊急避難した時や被災した直後に、火を使わなくても食べられるものと考えて下さい。
結果的に巨大地震は、気象庁などが公表した通り発生しませんでしたが、空振りたったと腹を立てるより、良い訓練と見直しが出来たと考えてはどうでしょうか?
台風7号は進行速度が遅く、海水温が高いために発達して本州に接近したため、大きな影響が心配されましたが、幸い大きな被害が出ずに済んだと考えて下さい。
南海トラフ巨大地震についても、今後の台風や大雨についても、公的機関やマスコミが発表する情報を、正しく理解し、いち早く生命財産を守る適切な対応をとって下さい。言い換えれば、正しく知って正しく恐れることで、大自然の前でもっと謙虚になって下さい。
(防災アドバイザー 郷隆志)

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