【アイサポ防災コラム】その83:あの日から14年に

静岡県地震防災センターで防災アドバイザーとして講話を終えて、翌日の準備をしていた2011年3月11日午後2時46分は忘れられません。
振幅の大きな揺れが長く続いた東北地方太平洋沖地震=東日本大震災は、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震で、宮城県栗原市で最大震度7を観測したほか、東北地方から関東地方など8つの県で震度6弱以上を観測し、直後の大津波で多くの命が奪われました。
復興庁発表の最新の資料で、災害関連死を含めて死者1万9747人、行方不明者 2556人で、その多くが視覚障害者を含む身体障害者や高齢者でした。
この大地震を契機に予知を前提にした東海地震対策が見直され、南海トラフ沿いの巨大地震対策に方針転換されました。
そしてこの程、国が南海トラフ巨大地震の被害想定を改訂することになり、3月中に発表される予定で、静岡県は更に県内版の被害想定の改訂作業を本格化させます。
そして南海トラフ巨大地震に備えて、国は大きな被害が想定される東海から九州にかけての10の県に対して、支援にあたる自治体をあらかじめ決めておく計画を新たに策定しました。
静岡県には富山県に加えて岩手県と仙台市から支援してもらう計画が発表され 新年度から運用される予定です。しかし甚大な被害が超広域のため直ぐに静岡県に入ってくることは厳しく、発災からしばらくは「自助・共助」が重要です。
ところでマイナンバーカードを拒否する人もいますが、私はマイナンバーカードが始まったころから確定申告の電子申告「e-tax」等で重宝しており、防災の意味でも非常に有効と考えています。
マイナンバーカードと保険証を一体化したマイナ保険証の本格的な運用は去年12月に始まっていますが、急病やけがで救急搬送される時に、救急隊員が患者の通院歴や服用している薬などの情報を確認できるようにする取り組みが、新年度から全国で行われます。
地震災害から命を守る為には、家の耐震化と家具の固定が基本で、過酷な避難所に行くのではなく在宅避難を考えてください。
去年8月8日の南海トラフ地震臨時情報が発表された時に、防災対応に混乱がありましたが、テレビ・ラジオや防災無線で情報を正しく受け取り、速やかに対応が出来るようにイメージトレーニングしてください。
(防災アドバイザー 郷隆志)

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