【アイサポ防災コラム】その86:地球は生きているってどういうこと?
ほぼ球形をしている地球は、芯の部分から地表に向かって深さ5100㎞を内殻と言い、その外側2900㎞付近までを外殻と言います。その外側を下部マントル、地表側を上部マントルと言い、地表から50㎞から5㎞を地殻と言いますが、ほとんどの地震はこの地殻の中で起きています。
また地表から厚さ数10㎞を岩盤またはプレートと呼んでおり、地球の表面は、丁度サッカーボールの表面の皮のように10数枚のプレートで覆われています。
サッカーボールの表面は、12の正五角形と20の正六角形の、合わせて32面からなる多面体となっています。
マントルがプレートを貫通してマグマとして湧き上がる場所をホットスポットと言い、その代表的な場所としてハワイ諸島やアイスランドがあります。そこでは火山活動が活発で、ホットスポットによって長い年月をかけて出来た火山が移動し、日本に関係する太平洋プレートも年間数センチ西に移動しています。
もとは島だった伊豆半島がプレートの移動によって陸続きになったのも、プレートの移動によるものです。
伊豆半島ジオパークのホームページに詳しく紹介されていますが、約2千万年前、伊豆に相当する場所は本州から数百km南にあり、深い海の底で活動する火山の集合体でした。南からの巨大な太平洋プレートは、伊豆半島が乗っているフィリピン海プレートの下に沈み込んでいて、のちに伊豆半島になる大地の源であるマグマを供給していました。一方フィリピン海プレートは、本州が載っているユーラシアプレートの下に沈み込みます。フィリピン海プレートの上にできた海底火山や火山島はプレートとともに北に移動し、約100万年前に本州に衝突し、約60万年前に現在のような伊豆半島の形になったと言うことです。
10数枚のプレートがそれぞれ大きくなっているのに、地球の表面積がほとんど変わらないのは、海のプレートが陸のプレートの下に潜り込むためです。
プレート同士が接する部分を固着域と呼んでいますが、引きずり込まれる陸側のプレートが限界に達すると跳ね返り、その時に起きる地震をプレート境界型地震と言い、南海トラフ巨大地震はこのタイプです。
我々は地震を防ぐことは出来ません。大自然に謙虚になるべきです。
防災の基本は、自助・共助です。
(防災アドバイザー 郷隆志)