【アイサポ防災コラム】その91:地震発生確率が二通りって?
南海トラフで巨大地震の発生を評価する気象庁の定例の検討会が10月7日に開かれ、特段の変化は観測されていないとの評価結果を発表しました。
検討会会長で東京大学の平田なおし名誉教授は、「引き続き、南海トラフで巨大地震が発生する可能性は高いと考えられている」と話しています。
また9月26日に政府の地震調査委員会が、毎年1月1日を基準に南海トラフ巨大地震の今後30年以内の発生確率を発表していますが、これまで「80%程度」とされてきた発生確率を、「20~50%」と「60~90%程度以上」とする幅のある確率を併記すると発表しました。
これは、これまで南海トラフ地震が周期的に発生するという前提で算出した80%程度という発生確率は、1605年の慶長地震、1707年の宝永地震、1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震までの発生周期が、概ね100~150年間隔で発生しているため、「時間予測モデル」などを用いて発生確率を算出してきました。
ところが、その根拠となった江戸時代の慶長地震と宝永地震の記録は、古文書の解釈が分かれており、データの精度にも不明な点が多いとする研究論文が昨年発表されたのを受けて、地震調査委員会が、他地域の地震に使う別モデル=BPTモデルで計算した「20~50%」と隆起量や計測値の不確かさを考慮できる新たな計算手法を取り込んで、これまでの80%程度から「60~90%程度以上」と誤差を反映するために、幅を持った数値の二通りの発生確率を併記することにしました。
発生確率が20~30%になったから発生が遠のいたと思うのは危険です。
国交省のデータで30年以内に交通事故にあう確率0.38%。消防庁のデータでは自宅が火災にあう確率0.007%ですから、南海トラフ地震発生確率は驚異的な数字です。
阪神淡路大震災も去年の能登半島地震も大地震になるとは予測されていませんでした。
ところで内閣府が、この秋に行った防災に関する世論調査で、家庭で3日分以上備蓄しているものを複数回答で尋ねたところ、飲料水は70%、食料品は60%でしたが、衛生用品は39%、携帯トイレ・簡易トイレは27%でした。
非常持ち出し品の冬用衣類や非常食の入れ替えと合わせて携帯トイレなども備えてください。
(防災アドバイザー 郷隆志)