【読書案内】10月ベストリーダー
センター10月のベストリーダーのご案内
こんにちは、貸出担当です。
「読書の秋・秋の夜長に読書を」というのは貸出係の常套句ですが、どうして「秋」なのでしょう。
唐の文人・韓愈(かんゆ)の詠んだ「灯火親しむべし」という詩が由来のようです。
秋は涼しく夜長なので、灯火の下で書物を読むに適しているという意味の詩です。
夏目漱石の小説『三四郎』にこの一節が登場し、秋は読書に適した季節だと認識されていたことが伺えます。
今回は10月に貸出の多かったセンター製作の図書をご紹介します。
点字図書、録音図書の両方で人気だったのが
阿津川(あつかわ)辰海(たつみ)の『名探偵は嘘をつかない』です。
主人公の阿久津は傲岸不遜にして冷酷非情。妥協を許さず、徹底的に犯人を追い詰める名探偵。
しかし、自らの犯罪を隠蔽したという重大な疑惑が持ち上がります。
新人発掘プロジェクト、KAPPA-TWO(カッパ ツー)から誕生した作品です。
『家族戦争』は西舘(にしだて)好子(よしこ)による井上ひさしとの結婚生活を綴った回顧録。
井上は作品を生み出す苦しみから、家族に暴力を振るう事もあったようです。
それだけ聞くと辛く嫌な思い出のようですが、著者は「井上は戦友」「家族との思い出は宝もの」と語ります。
録音図書で特に貸出が多かったのが、作家曽野綾子によるエッセイ『老いの僥倖』です。
年を重ねることに喜びを感じる人はまれですが、
著者は晩年にこそ僥倖(思いがけない幸い)が詰まっていると言います。
知らないともったいない、老年を充実させる秘訣が満載の一冊です。
気になる図書がありましたらお気軽にご連絡ください。お待ちしています。
以下、書名、著者名の順に記します。
点字図書
名探偵は嘘をつかない 阿津川 辰海著
エマニュエル・マクロン フランスが生んだ革命児 伴野 文夫著
家族戦争 うちよりひどい家はない!? 西舘 好子著
脳を強化したければ、ラジオを聴きなさい 加藤 俊徳著
録音図書
老いの僥倖 曽野 綾子著
裏店とんぼ 研ぎ師人情始末 稲葉 稔著
英国レディの恋のため息 キャンディス・キャンプ著 山田 香里訳
天子の御剣、推参! 中岡 潤一郎著
名探偵は嘘をつかない 阿津川 辰海著