【アイサポ防災コラム】その12:水害から命を守ろう!
3月7日、静岡市の静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で、静岡県中部地域局主催の「被災地から学ぶ水害対策シンポジウムが開かれ、第一部の基調講演に、九州北部豪雨、西日本豪雨、小山町豪雨の当時の防災担当者が登壇しました。第二部の「パネルディスカッション~大規模化する水害、その時どうする?」では、第一部の3人の講師と静岡県中部危機管理監が加わり、私はコーディネーターとして参加しました。
そこで今回の防災コラムでも水害対策を取り上げます。
我々が生活している地球は、地球誕生から現在まで地殻活動が続いています。その地殻活動で山が形成され、雨が降って川ができ、谷ができ、山崩れで土砂が流れ、扇状地(平野)ができる。その肥沃な土地に集落(都市)が形成されています。しかしそれらの地域は、地震、河川の氾濫、洪水、高潮等のリスクが大きいのです。
洪水の種類のうち、内水氾濫(ないすいはんらん)は大雨などで下水道、側溝、排水路が処理しきれずに、水はけが悪化して、本流から逆流したりして浸水する現象です。
外水氾濫(がいすいはんらん)は、河川の水位が上昇して堤防の高さを超えたり、堤防が決壊したりして水が勢いよくあふれ出す現象で、1974年の七夕豪雨では内水氾濫と外水氾濫が同時に起き、27人が亡くなり、およそ2万7千棟の家屋が浸水被害を受けました。
地震と違って、大雨は観測、予測技術の精度が上がって早めに防災情報が出されます。
豪雨災害が多発している近年、数十年に一度の大雨が予想される時に出される特別警報や記録的短時間大雨情報が何度も発表されています。3月19日に専門家などで作る気象庁の検討会で、最大級の警戒を呼びかける「大雨特別警報」は、災害が発生している状況で命を守る最善の行動を取るよう呼びかける「レベル5」に位置づけることで了承されました。それらの情報を受けて各自治体が避難指示(緊急)や避難準備情報(高齢者等避難開始)などを出しますが、洪水や山崖崩れの心配がないなど安全が確保されている場合を除いて、速やかに避難して下さい。
各自治体は、河川ごとに氾濫危険水位、避難判断水位、氾濫注意水位、水防団待機水位を決めていて、大雨が予想されると河川水位の観測や警戒にあたります。
防災無線、テレビ、ラジオ、携帯電話やスマホなどで早めに情報をキャッチして備えて下さい。
特に1人住まいの視覚障害の方は隣近所の介助が不可欠で、その為には常日頃からのコミュニケーションが重要です。
(文:防災アドバイザー 郷 隆志)