【アイサポ防災コラム】その15:大雨避難のタイミングは?
近年、地球温暖化の影響と言われている大雨や局地的なゲリラ豪雨が、今年も静岡県内を含む全国各地で発生しており、スーパー警報や大雨警報の発表回数が増えています。
先月の防災コラムで、大雨に関する情報をお伝えしましたが、国は危険度や住民が取るべき行動を分かり易く伝えるため、防災情報を5段階の警戒レベルに分けることにしました。
気象庁はこれをもとに5月末から運用を始めました。
レベル1は、災害への心構えを高める必要があり、最新の防災気象情報等に留意するなど、災害への心構えを高めてください。
レベル2は、大雨注意報、洪水注意報、高潮注意報が出されたときで、避難行動の確認をしておくことが必要とされます。自分の住んでいるところが、災害が想定されている区域かどうかや避難先、避難経路を確認してください。
レベル3は、大雨警報、洪水警報、高潮注意報、氾濫警戒情報が出されたときに、地元の自治体が避難準備・高齢者等避難開始を発表する目安となる情報です。視覚傷害者や高齢者等の避難が必要で、自ら避難の判断をしてください。
レベル4は、土砂災害警戒情報、高潮特別警報、高潮警報、氾濫危険情報が出されたときに、地元の自治体が避難勧告を発表する情報です。災害が想定されている区域などでは、自治体からの避難勧告の発令に留意するとともに、避難勧告が発表されていなくても自ら避難の判断をしてください。
レベル5は大雨特別警報、氾濫発生情報が出されたときで、何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況で、命を守るための最善の行動をとってください。
視覚障害者などは、自宅の安全が確認されている場合を除いては、レベル3で避難行動が必要で、警戒レベルが「4」になってからの避難はリスクが高すぎます。
そして一番高いレベル「5」が出された時は、すでに災害の脅威にさらされ、手遅れとなっている恐れもあります。
大雨の時も大地震が起きた後の避難も、街の中の様子が一変してしまい、視覚障害者単独での避難は危険です。その為には隣近所の助けが必要で、普段からのコミュニケーションが重要です。
皆さんの地域で行われる防災訓練や避難所宿泊訓練に是非、参加してください。訓練を繰り返すことで、災害が起きた時に自分で出来ること、自分でやらなければならないこと、自分では出来ないことが分かります。防災訓練や避難所宿泊訓練は自分の為だけでなく、地域の皆さんが視覚障害者にどう接したら良いか分かってもらう訓練にもなります。
(文:防災アドバイザー 郷 隆志)