【アイサポ防災コラム】その22:今年こそ防災力アップを

去年は大きな自然災害が多い1年でした。今年こそ平穏であって欲しいと願っています。
新聞・テレビ・ラジオ・週刊誌などで、新年企画や1月17日の阪神淡路大震災25年に関連した記事や特番が数多く組まれました。そんな中で気になることをいくつか拾ってみます。
25年前の1月17日に起きた阪神淡路大震災を教訓に、国は地震調査研究推進本部を設置し、全国の活断層のうち、地震が起きた場合に社会的に大きな影響が出る114の活断層を重点的に調査して、今後30年以内の地震の発生確率などリスクを評価してきました。
現在、地震が起きる切迫度が阪神淡路大震災の直前と同じかそれを上回る活断層が31あり、改めて活断層地震への備えが重要と言われています。
特に切迫度の高い長野県と山梨県にある「糸魚川静岡構造線断層帯」、静岡県にある「富士川河口断層帯」は要注意です。
また測量学の世界的権威である村井俊治東大名誉教授は、今年は東日本大震災と同規模の地震が起きる恐れがあると警告しています。その根拠は、去年11月中旬に東日本大震災の約2か月前と同じ兆候が現われたと言うことです。これは震災以降初めての出来事で、村井氏が指摘するのは伊豆諸島にある電子基準点「青ヶ島」の上下動で、11月10日から16日までの1週間で81cmの高低変動が見られましたが、東日本大震災の前年の2010年12月26日〜31日の1週間に同じ青ヶ島の基準点で観測された76cmを大きく超える異常変動だということです。
前にも書かせて頂きましたが、国の地震調査委員会が発表している今後30年以内に震度6弱以上の地震の発生確率で静岡市は71.3%と発表されています。これは同じ30年以内に交通事故で亡くなるとされる2.1%、火災で被災する確率1.9%と比べるといかに危険な数字であるかがお分かり頂けると思います。
日本に住んでいる限り地震から逃れることは不可能で、日頃からの防災意識向上と備えが重要です。
阪神淡路大震災で亡くなった6434人の86.3%は住宅の倒壊や家具の下敷きが原因でした。やはり木造住宅の耐震化、家具の固定が地震から命を守る最大の対策です。
そして近年、台風や異常豪雨による大災害が多発していますが、いち早く避難するなど安全対応が必要です。
(文:防災アドバイザー 郷 隆志)

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