【アイサポ防災コラム】その30:昭和56年5月以前の木造住宅に朗報
毎年8月末から9月初めに静岡県内各地で行われている防災訓練は、今年は新型コロナウイルス感染防止対策に伴って中止したり、規模の縮小や延期したりしたところが多くありました。
各家庭でも非常持ち出し品や非常食品の消費期限の確認など何らかのチェックをしたと思いますが、まだの方は今すぐに確認して下さい。マスクは値段が下がって来ましたので出来れば、来年春のインフルエンザ流行期やスギ花粉などの飛散が終わるまでの分を、家族の人数分備蓄して下さい。
一時静岡県直撃が心配された台風12号は、東にそれたお陰で大きな被害はありませんでしたが、今年は台風9号、10号が九州や西日本に大きな被害をもたらしました。
気象情報や自治体からの避難情報で早めに避難した人が多かったのですが、新型コロナウイルス感染対策で避難所の収容人数が計画の3分の1から4分の1に制限された為、避難所に入れない人が続出しました。
静岡県は大雨や台風に備えての避難は、避難イコール避難所ではないと言っています。
避難は在宅避難、親戚や知人宅への避難、最後に地域の避難所の順番で考えて下さい。
大地震の避難も同様で、緊急の場合は山崩れや崖崩れ、津波の心配がない広場などへ避難して下さい。
理想は避難しなくても良い、地震や水害、山崩れ崖崩れの心配の無い安全な家にすることです。
静岡県は、これまで旧耐震基準の昭和56年、1981年5月以前に建てられた木造住宅の耐震補強工事に対し、県が最大45万円、補強計画と工事の一体型だと国と県が30万円ずつを補助し、各市町も任意で助成制度を設けていますが、さらに高齢者世帯や障害者世帯へ上乗せを実施している自治体もあります。
静岡県は新型コロナウイルス感染防止対策として在宅避難を促進する為、9月定例県議会一般会計9月補正予算案で耐震補強にさらに15万円上乗せする方針を固めました。この上乗せ補助は、避難所で新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患のある人が居住する住宅を対象にする方向だということです。
これから発生する台風は本州直撃コースをとる可能性があり、南海上の海面水温が記録的に高くなっているため、最強クラスに発達する恐れもあるので、ニュースや天気予報などのチェックが必要です。
(文:防災アドバイザー 郷 隆志)