【アイサポ防災コラム】その31:今すぐインフルエンザワクチンの接種を
新型コロナウイルスやインフルエンザ対策も危機管理、広い意味で防災です。
新型コロナウイルスの感染拡大は、欧米でこの春を上回る勢いで猛威を振るっていますが、それとは対照的にインフルエンザ患者は例年と比べて激減しています。
例年日本が夏の時にインフルエンザの流行がピークを迎えるオーストラリアでも、今シーズンは激減していますが、新型コロナウイルス感染症対策で渡航や国内移動を禁止・制限したり、外出を禁止したりしたことと、そしてマスクの着用や手洗いの徹底などがインフルエンザの感染をも抑えています。
厚生労働省が10月16日に発表した第42週の10月5日から11日までのインフルエンザ発生状況は、静岡県内での発生はありませんでしたが全国では合わせて17人が感染しており、昨年の同じ時期は4421人でしたから激減しています。
しかし新型コロナウイルス感染症対策で制限されていた入国が、10月から緩和されたことで新型コロナウイルス感染者の増加が懸念され、同時にインフルエンザ感染者の増加も同様心配されます。いまインフルエンザ感染者が極端に少ないからといって、この冬もこのまま少ないとは限りません。
ではインフルエンザワクチンを接種した方が良いといわれている人は、感染すると特に重症化するリスクの高い高齢者、妊婦、2歳未満の幼児、ステロイドなどの免疫抑制剤を服用していて免疫が弱っている人などは強く推奨されています。またリスクの高い人と同居している家族も是非予防接種を受けて下さい。
インフルエンザを発症してからしばらくは、新型コロナとインフルエンザがよく似た症状を示すため、症状だけではインフルエンザと新型コロナを区別することは困難とされています。医師や検査技師等が検体を採取する際に飛沫を浴びるリスクもあるため、診断がつくまでは新型コロナ感染症対策が必要になります。またインフルエンザの患者が増えると医療機関への負担も大きくなります。医療現場の負担をできるだけ減らすためにも、インフルエンザを流行させないようにインフルエンザワクチンの接種率を高める必要があります。
今シーズンはこの5年間で過去最大の約6300万人分のワクチンが供給される予定で、予防接種を希望する人のほとんどに行き渡るということで、是非接種を受けて下さい。
(防災アドバイザー 郷 隆志)