【アイサポ防災コラム】その32:春の緊急事態宣言の時の緊張を思い出せ!

新型コロナウイルス感染者が静岡県内でも急増して既に累計で1200人超えてしまい、危機的な状況に入りました。飲食店や職場、学校の他、伊豆の国市の順天堂大静岡病院、浜松市のJA静岡厚生連遠州病院に続き、静岡市の静岡済生会総合病院でも医療従事者や入院患者のクラスターが発生しており、静岡済生会総合病院では初めて医師の感染も判りました。
厚生労働省の専門家会合で直近の感染状況について、特に北海道や首都圏、関西圏、中部圏を中心に顕著な増加が見られると評価し、このまま放置すればさらに急速な拡大に至る可能性があり、接触機会の削減、行動制限などの強い対策が求められる状況だとしています。
静岡県の川勝知事は、11月18日に一日で県内最多の感染が確認されたことを受けて、県独自の流行フェーズ(段階)をこれまでで最高の「感染まん延期・前期」に引き上げました。そして「新型コロナウイルスの第3波の渦中にあり、感染拡大を抑止できるか最大の危機的局面だ」などと述べて、静岡県独自の警戒レベルの基準を「県内県外ともに警戒」としたうえで、感染拡大と医療崩壊を防ぐために全力で取り組むとともに、県民にも感染防止対策の徹底を呼びかけました。
静岡県によりますと県内の医療機関では23日の時点で、病床の使用率は47・6%で、これまでで最も高かった7月31日の44・6%を上回りました。医療従事者の感染がさらに増えると、医療現場の崩壊になりかねません。
第3波の特徴は、20代・30代の若い人たちに加え、感染経緯が特定出来ない40代から50代にも広がっており、誰でも、どこでも、いつでも感染する恐れがあります。
感染症専門家は今後、医療機関や高齢者施設などを巻き込んで、さらに大きなクラスターに発展する恐れもあると指摘し、密閉・密集・密接を避け、マスク着用や手指の消毒、換気などの基本的な対策を徹底するように呼びかけています。
このような状況にあって菅総理大臣は、23日にようやくGo Toトラベルについて、感染拡大地域を目的地とする旅行の新規予約の一時停止など、医療への過度な負荷をかけないため、短期間に集中して感染リスクが高い状況に焦点を絞った対策を示しました。
間もなく忘年会・新年会シーズンですが、今年は我慢、辛抱の年末年始です。
(防災アドバイザー 郷 隆志)

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