【アイサポ防災コラム】その43:7日の首都圏の地震をひと事とするな!

10月7日夜に首都圏で震度5強を記録した地震は、1都4県で43人がけがをしました。
静岡県内では東伊豆町で震度4、伊豆や静岡県東部で震度3~2、静岡市から西で震度2~1の震幅の大きい地震を観測しました。
この地震は、千葉県北西部の深さ80㎞の太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界を震源に、マグニチュード6.1を記録しました。
2011年の東日本大震災以来の大きな揺れの地震でしたが、東日本大震災の教訓が活かされませんでした。JR東日本や一部私鉄で長時間にわたる運転見合わせや都内の水道管23カ所で漏水被害が起きるなど、インフラを直撃し都市基盤の脆弱さが明らかになりました。主要駅は翌日未明まで帰宅困難者が溢れ、一夜明けた通勤通学時間帯も入場規制などで混乱が続きました。
東日本大震災の発生直後、JR東日本や私鉄が帰宅困難者を駅から閉め出して大問題になりましたが、今回も一部の駅では再びシャッターを閉じる事態が起き、明け方まで主要駅周辺は帰宅困難者で溢れました。
日暮里・舎人(にっぽり・とねり)ライナーは、緊急停車した直後に脱輪し、乗客3人がけがをしましたが、東日本大震災の時も同様の事故が起きていました。
また高層ビルやマンションではエレベーターの停止が相次ぎ、首都圏の1都3県で、利用者の閉じ込めが28件起きました。
ところでテレビやラジオなどの緊急地震速報で驚かれた方も多いと思います。気象庁のホームページによりますと、地震波にはP波=Primary「最初の」の頭文字)とS波=Secondary「二番目の」の頭文字)があり、P波の方がS波より速く伝わる性質があります。一方、強い揺れによる被害をもたらすのは主に後から伝わってくるS波です。このため地震波の伝わる速度の差を利用して、先に伝わるP波を検知した段階でS波が伝わってくる前に危険が迫っていることを知らせることが可能になります。
緊急地震速報は、最大震度が5弱以上と予想された場合で、震度4以上が予想される地域を対象に発表されますが、震源が近い場合は間に合いません。
この機会に大地震が発生したとき自分がどうなっているかをイメージトレーニングしてみて下さい。そして家具の固定、緊急時の家族との連絡方法や帰宅方法、非常持ち出し袋の確認をしましょう。
(防災アドバイザー 郷隆志)

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