【アイサポ防災コラム】その59:トルコ大地震から学ぼう

トルコ南部のシリアとの国境近くで2月6日に発生したマグニチュード7.8の大地震やその後の大きな揺れで、2月23日正午時点で死者はトルコで4万3556人、シリアで6747人の、両国合わせると5万人を超え、さらに増えそうです。
被災地では救助隊による捜索の結果、南部のハタイ県では18日、地震から296時間たって夫婦ががれきの中から救出され、生き埋めなどの生存の可能性が急激に下がる72時間が救出の目安と言われていましたが、その4倍を上回る長時間で奇跡の生存となりました。また、へその緒が付いたままの赤ちゃんが助けだされましたが、母親は亡くなってしまったというニュースには胸を打たれました。
この地震は日本時間6日未明にマグニチュード7.8、その9時間後にマグニチュード7.
5の大きな地震が続いて起きました。まずトルコ北東部から地中海に延びる数百キロの東
アナトリア断層で発生し、次にこの断層から枝分かれするように延びる別の活断層でも起
きたと言うことです。長さ250キロの長大な活断層が1分30秒かけて次々と破壊する
連動型だったことが分かってきたと言います。被害が大きかったのは、複数の大きな活断
層の真上に都市があったこと。高層ビルなどの耐震性が劣っていたことが挙げられます。
99年のトルコ・イズミット地震の後に、耐震基準が日本と同程度に強化されましたが、
基準に満たないビルでも、罰金を払えば建築出来たという信じられない状況で、人災とも
言えます。
現地周辺では余震が活発に起きており、極寒の中で家を失った被災者は、テントや野宿
などで、暖房も水もない厳しい状況で、シャワーも浴びられず、衛生状態は最悪です。
日本をはじめ世界中から医療チームが入って支援していますが、被災地が広く被災者も多
いなど、被害の詳細も不明で、さらに大きな支援が必要です。
日本では南海トラフ巨大地震や首都直下地震の発生が心配されています。今一度、家の耐震化と家具の転倒防止対策。食料と水を家族の人数分を1週間分、食べたら補充のローリングストック方式で備蓄して下さい。火を使わなくても良い非常食も3日分は必要です。そして排泄は我慢出来ません。視覚障害者が仮設トイレを使用するのは厳しい環境です。自分用の簡易トイレなどの用意も必要です。
(防災アドバイザー 郷隆志)

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