【アイサポ防災コラム】その60:地震の記録から学ぼう!

今月号でまる5年、60回目をお届けすることが出来ました。
近年、国内外で大地震や台風などの自然災害が多発し、その度に学ぶことがありました。
死者・行方不明者など2万2215人を出した東日本大震災から12年が経ちましたが、未だに生活が元通りにならず苦労されている方が大勢います。
おととし、福島県と宮城県で最大震度6強の激しい揺れを観測した地震から3月13日で2年。さらに福島県と宮城県でマグニチュード7 . 4、最大震度6強の揺れを観測した地震から3月16日で1年になりました。およそ6万3千棟の建物が被災し、東日本大震災でも大きな被害を受けた地域などは復興の最中で、生活や事業の再建が資金不足や建築関係者の不足などからの遅れが大きな問題となっています。
ところで1923年9月1日午前11時58分、「相模トラフ」を震源とするマグニチュード7.9の「関東大震災」が起き、10万人を超える犠牲者が出ました。この地震で熱海市の海岸に12mの大津波が襲って来ていますが、今年で100年になります。
今、全国的に高層ビルや高層マンションが増えていますが、高層ビルで起きやすいと言われる、大型の船が大きくゆっくり揺れるような長周期地震動の発生が心配されています。気象庁は今年2月 1日から新たに緊急地震速報の対象に加え ています。
従来の震度5弱以上の揺れが予測された場合に加えて、気象庁が定める長周期地震動の揺れの大きさを示す4段階のうち、立っているのが困難になる「階級3」と、はわないと動くことができない「階級4」の揺れが予測される地域に発表されます。静岡県内での震度が5弱より小さくても、長周期地震動の発生が予測される場合に発表されます。
過去の大地震で、ピアノなどが壁を突き破って隣の部屋に移動したりしていますが、高層階では家具やロッカーなどの固定は絶対に必要です。
政府の地震調査委員会が毎年1月1日現在で発表している地震の発生確率は、南海トラフで今後30年以内にマグニチュード8~9級の地震が発生する確率を「70~80%」などとして前年の評価を据え置来ました。
この1年間、国内で震度5弱以上の地震は14回も起きています。
改めて家の耐震化や家具固定など、大地震の被災後の生活で困らない為の備えを確認して下さい。
(防災アドバイザー 郷隆志)

最終更新日時:

カテゴリ