【アイサポ防災コラム】その71:能登半島地震から学ぼう!

能登半島地震の発生から間もなく2ヶ月になります。
2月22日時点で、石川県の地震や津波による死者は241人で、その4割は圧死。死者のうち災害関連死は15人、安否不明者は9人に。
また住宅やビルの全半壊は約7万5千棟に及ぶ大災害になってしまいました。
能登半島地震は、能登半島沖の活断層によるマグニチュード7.6の都市直下の地震でした。
東日本大震災は沖合のプレート境界で起きたマグニチュード9の巨大地震で、巨大津波を伴う大災害でした。
阪神淡路大震災はマグニチュード7.3の都市直下の活断層地震でした。
発生が心配されている南海トラフ巨大地震は、マグニチュード9のプレート境界型で、震源が都市直下で、加えて巨大津波の発生が想定されています。
今回の能登半島地震は、激しい揺れと液状化で建物の全半壊は約7万5千棟。朝市が行われていた輪島市朝市通りで発生した火事は、同時多発で消防が機能せずに大火災になってしまいました。
液状化による甚大な被害が出た石川県内灘町では、地盤が住宅ごと水平方向に12メートルも横にずれた「側方流動」が起きていました。
電気、上下水道、通信等にも甚大な被害が出て、上下水道の完全復旧は相当な時間がかかりそうです。
4 m を超える地盤隆起や土砂崩壊等で、鉄道や道路に甚大な被害が出ているほか、海岸線が4㎞にわたり沖合に200m余り拡がり、輪島市の漁港では海底が隆起して干上がっています。
ところで1995年の阪神淡路大震災は都市直下型地震で、6434人が建物や家具の下敷き、大火災で犠牲になり、複数の電車が脱線や転覆したほか、阪神高速の高架部分が倒壊しました。
また2011年の東日本大震災は、巨大津波と津波火災で、災害関連死を含む死者と行方不明者合わせて2万2212人が犠牲になり、福島第一原発で原子力事故が起きました。
では南海トラフ巨大地震が起きるとどうなるのか?
震源は静岡県を含む東海地方から四国、九州に及ぶ超広域で、しかも都市直下で起きるプレート境界型地震で、その規模はマグニチュード9を超えると想定され、激しい揺れ、液状化、大津波や大火災など甚大な被害が出ることは明らかです。
地震=自然現象を抑えることは出来ません。命を守る為に、そして被災後の生活への備えを再確認してください。
(防災アドバイザー 郷隆志)
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