【アイサポ防災コラム】その79:南海トラフ地震臨時情報を理解できた?

8月8日の日向灘で起きた地震で初めて発表された南海トラフ地震臨時情報について、報道各社や大学等の調査結果が発表されています。
私も「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」会長の平田東京大学名誉教授の講演や複数の研究発表などに触れることができたので整理してみました。
日向灘の地震は8月8日午後4時43分頃、南海トラフ地震の想定震源域内のプレート境界である日向灘を震源としたマグニチュード7.0の大きな地震でした。
そして午後5時に「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」が発表され、午後7時15分に初めて「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されたことで、大地震が来ると思ったり米を買いに走ったりと一部で混乱が始まりました。
この「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」について、NTTコムリサーチに登録しているアンケートモニターに行った47都道府県から200票ずつ、合計9400票の調査で、静岡県では「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の内容を具体的に知っていた人は9%、見たり聞いたりしたことがあった人は39%で、知らなかったという人が60.5%もいて、まだまだ認知度が低く、混乱に至ったことが分かります。
この情報を見聞きして、大きな地震が起こると思った人と、大きくはないが地震が起こると思った人が、それぞれ37.9%。地震が起こるとは思わなかったという人は20.5%。地震が起こるかどうか考えたこともなかった人は3.7%という結果でした。
国のガイドラインでは、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、日常生活を行いつつ、一定期間、できるだけ安全な行動をとることが重要であり、普段以上に地震に備えて警戒するという心構えを持って」としています。
今回発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)は、学校や交通機関は通常どおり機能し、日常の生活と大きく変わらない状況であることが想定されています。しかしJR東海が新幹線の一部区間で徐行運転をするなどしましたが、今後検証の必要があります。
今の地震学では地震予知は出来ません。
寝室やリビングの家具の固定を再確認してください。
そしてテレビ等からの情報を冷静に受け取り、落ち着いて対応してください。
(防災アドバイザー 郷隆志)

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