【アイサポ防災コラム】その81:能登に学ぼう!

今年は伊豆半島沖地震と七夕豪雨から50年でした。
この1年、静岡県内では何度も大雨があり、大雨警報や土砂災害警戒情報が出されましたが、幸い大きな被害はありませんでした。
しかし能登半島では元日の大地震と9月の豪雨に見舞われ、未だに復興は進んでいません。
能登半島地震は元日の夕方、石川県能登半島で最大震度7の大きな揺れを観測し、液状化と地盤の隆起やそれに伴って海岸線が沖に向かって大きく拡がりました。
これまでに能登半島地震の死者は、建物の倒壊や津波などで、災害関連死を含めて石川県に新潟県と富山県を合わせると489人になる見通しで、更に災害関連死の申請が200人以上あるということです。
専門家によると、多くの建物が倒壊したのは、4年ほど前から能登地方で続いている活発な地震で、大きな揺れに耐えられる力が低下していたことなどを指摘し、耐震工事をしていなかった人が7割以上だったということです。
輪島市の朝市通り地区の大火災の復興や倒壊家屋の撤去などが進んでいない所も各地で見られます。
そして9月21日には台風14号から変わった温帯低気圧と活発な秋雨前線に加えて、線状降水帯の発生などの影響で、能登半島北部を中心に観測史上最大の24時間の降水量が400㎜を超える豪雨となり、大雨特別警報も発表されました。
この豪雨によって、元日の大地震の復興が遅れていた地域での被害が拡大し、20を超える川が氾濫して震災仮設住宅に浸水し、入居していた人が再び避難する事態になりました。
また土砂崩れが各地で発生し、一時100か所以上の集落が孤立しました。孤立は解消しましたが、多くの人は元の土地での生活が出来る状態ではなく、 1 日も早い復興を願うばかりです。
50年前に南伊豆町中木を中心に死者30人を出した伊豆半島沖地震を経験していますが、伊豆半島は能登半島の被災地と同じような環境の地域ですので、改めて大地震への対策が今すぐ必要です。
そして新年1月17日は6434人が犠牲になった阪神淡路大震災から30年です。
心配される南海トラフ巨大地震は、プレート境界型であり都市直下型の巨大地震で、静岡県をはじめ超広域の激甚災害になると想定されています。
地震への備えを年末の大掃除と合わせて家族で確認してください。
どうぞ良いお年を!
(防災アドバイザー 郷隆志)

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