【読書案内】山本文緒さんを偲んで
山本文緒(ふみお)さんを偲んで
こんにちは、貸出担当です。
直木賞作家の山本文緒(ふみお)さんが、10月13日膵臓(すいぞう)がんのため亡くなりました。58歳でした。
1999年に「恋愛中毒」で吉川英治文学新人賞を受賞し、テレビドラマ化されました。2001年に「プラナリア」で直木賞を受賞しました。
山本文緒さんの作品を紹介します。
以下、タイトル、出版社、出版年、点訳・音訳の有無、内容紹介の順です。
1.あなたには帰る家がある 集英社 1994年 点字・デイジー
幼い子供を抱える真弓と秀明。家の建て替えを考えている茄子田と綾子。二組の夫婦の危うい絡みあいの中に、人間の愚かさと愛しさを写す長編小説。
2.ブラック・ティー 角川書店 1997年 点字・デイジー
約束を破ったり、借りた物を返し忘れたり、誰でも思い当たる軽犯罪。そんな罪にかき立てられる自分への不安、他人への不信。ヒトのいじらしさ、可愛らしさを鮮やかに浮き彫りにした、心洗われる物語。
3.恋愛中毒 角川書店 1998年 点字・デイジー
吉川英治文学賞新人賞受賞。夫と別れて一人淡々と暮らしていた地味な主人公、水無月の前に現れた作家。愛人を何人も持つ彼との恋愛に夫との日々を対比させながら、どちらをも愛しく思う主人公の恋愛たんを濃密に描く。実力派恋愛作家としての本領を発揮した作品。
4.紙婚式(かみこんしき) 徳間書店 1999年 点字・デイジー
一緒に暮して十年、小綺麗なマンションに住み、互いの生活に干渉せず、家計も完全に別々という夫と妻。二人の関係は、夫の何気ない一言で裂けた。男女の繊細な心の彩を描いた短編集。
5.落花流水 集英社 1999年 点字・デイジー
甘ったれでわがままな7歳の少女、手毬。17歳、かつては姉だった人を母親と呼ぶ二人だけの暮らし。27歳で掴んだ結婚という名の幸せ。運命に流される一人の女性の歳月を、半世紀に渡って描く連作長編小説。
6.プラナリア 文藝春秋 2000年 点字・デイジー
直木賞受賞。乳ガンの手術以来、何をするのもかったるい25歳の春香。この洞窟の出口はどこにある? 死ぬのも面倒くさい春香を描く表題作のほか、働かない女たちに現在を映す恋愛小説集。
7.自転しながら公転する 新潮社 2020年 点字・デイジー
結婚、仕事、親の介護、全部やらなきゃダメですか?ぐるぐる思い惑いながら幸せを求める32歳の都を描く、共感度100%小説。
上記以外にも多くの著作が点訳、音訳されています。
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