【読書案内】『トイレが大変!』

 

こんにちは、貸出担当です。
今回はセンターで選書、製作した図書をご紹介します。

トイレが大変! 山下亨編著 点字全6巻,デイジー15時間25分 2005年,近代消防社

出版は2005年と少し古いですが、阪神淡路大震災と新潟県中越地震におけるトイレの混乱についてまとめ、災害時のトイレ対策のあり方を問い直す貴重な資料です。
震災当時、兵庫県内の約130万戸が断水。長期間水を使用することができなくなりました。避難所となった施設のトイレは極めて不衛生な状態となりました。施設の庭や側溝などに汚物の山ができた、という証言も残っています。
新潟県中越地震でもトイレは大きな問題となりました。新潟県小千谷市が後日実施したアンケートによると、回答者の約33%がトイレが心配で水を飲むのを控えたと答えています。水分を控えることが健康に大きな影響をもたらすのはご存知の通りです。
今まさに北陸の被災地でも同様の事態が発生しています。29年前の阪神淡路大震災の頃より対策が進み、簡易トイレや移動トイレなどが普及していますが、十分に行き渡っているわけではありません。
トイレは健康的な生活に欠かせないものです。災害でトイレが使えなくなった時、何が起きるのか? 防災について考えるとき、ぜひ読んでおき
たい一冊です。

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