【アイサポ防災コラム】その6:逃げるが勝ち

今年は、6月18日に震度6弱を記録した大阪府北部の地震。6月28日から7月8日にかけて広い範囲で記録的な大雨となり、総降水量が四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリなど、7月の一ヶ月降水量は平年値の2~4倍、各地で時間降水量の値が観測史上第1位となるなど観測記録を更新する大雨となりました。9月4日に台風21号が四国、近畿地方を直撃。9月6日には最大震度7を記録した北海道胆振東部(いぶりとうぶ)地震が発生し、大規模土砂崩れや住宅地の液状化、大規模停電を起こすなど、全国各地で大きな自然災害が多発しています。
自然災害とは何か考えてみましょう。
近年世界中で大地震、台風や高潮、集中豪雨やゲリラ豪雨、猛暑や豪雪などが毎年起きています。しかし社会生活に支障の無い所で起きても、それは自然災害ではなく自然現象です。
我々が生活している平野部の多くは、山から川によって運ばれてきた土砂が堆積して出来た扇状地で、地盤が弱い所や液状化が起きやすい所が少なくありません。また山沿いの土地は長い年月の間に地盤が風化してもろくなった急傾斜地や崖崩れがおき易いところも多く見られます。そのような土地は土砂崩れや洪水、地震の被害を受けやすいのです。今年起きた災害の多くも、そうしたところでした。
台風や集中豪雨が予想されると、きめ細かい警戒情報が気象庁や静岡地方気象台、静岡県や市町から防災無線やメールで、さらにラジオやテレビでも情報発信されます。高齢者や視覚障害者など避難に時間がかかる人は、早い段階で発表される「避難準備情報・高齢者等避難開始」が出たら一刻も早く避難を開始してください。避難開始が遅れるとリスクはどんどん高まります。
ただし避難のタイミングが遅れた場合や、住まいが土砂崩れや洪水の心配がないことが確認されている場合は、無理して避難せずに自宅2階の部屋などで安全を確保してください。その場合は、隣近所や自主防災組織役員等に自宅で安全確保が出来ていることを伝えて下さい。
大地震は現在の地震学では確度の高い予測は出来ないということですので、いつ起きても安全を確保出来るように、家の耐震化と家具の固定が重要です。そして寝室にはガラスの破片などでケガをしないために、出来れば革の手袋とスリッパを手の届くところに置いておいてください。軍手は編み目が粗いので細かいガラス片などでケガをする恐れがあります。そして寝るときには窓のカーテンを引いてください。1週間分の水と食料の備蓄もお忘れなく。
(文:静岡県地震防災アドバイザー 郷 隆志)

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