【アイサポ防災コラム】その8:大災害時の連絡手段はこれだ

先月の台風24号に伴う静岡県西部や山間部など広域の長時間停電で、家庭の電話も携帯電話も使えず、家族や親戚、友人に状況を知らせることが出来ずに不安になった方も多かったと思います。
家庭の電話機で、停電しても使える電話機があるのをご存じでしょうか。シンプルな電話機は電話線を通して電流が流れていて通話出来ます。しかし近年、ファクス機能付きコードレスホンなどの多機能電話機が多くなっており、停電すると使えないと思っている人が多いのですが、留守番機能、ワイヤレス子機、電話帳やファクスは使えませんが、本体での通話は出来る機種もあります。試しに本体の電源コンセントを抜いて、受話器を耳に当ててみてください。ツーという発信音が聞こえれば使えます。住んでいる地域が光ケーブル化していた場合は使えない場合もあります。
また携帯電話の場合は、基地局が障害を受けてしまったり携帯電話機本体がバッテリー切れだったりすると送受信出来ませんので、復旧を待つしかありません。
それでは通信手段は無いのか? 災害用伝言ダイヤル171があります。これは大災害時などにNTTが無料で提供する留守番電話のような機能を利用するのです。
大災害時に使える電話は、避難所などに開設される特設電話、公衆電話があります。その電話を使ってメッセージを吹き込めば良いのです。まず受話器を上げて171をプッシュ。次に音声ガイダンスに従ってメッセージを吹き込む場合は1を、連絡を取りたい被災地域の人のメッセージを聞きたいときは2をプッシュ。次に音声ガイダンスで市外局番から入力するように案内されます。吹き込むときは普段一番使う自宅か自分の携帯電話番号を、連絡を取りたい人のメッセージを聞きたいときは相手の電話番号を市外局番からプッシュします。そして案内に従って吹き込み、または録音されたメッセージを聞くだけです。一度の収録で無限大の人に伝達出来ます。録音するときは、まず自分の名前をフルネームで、家族などの状況、避難場所などを具体的に吹き込むことが大事です。
毎月1日と15日、正月三が日に試すことが出来ますので、ぜひ一度は体験してください。
またインターネットを使う災害用伝言ダイヤルweb171もあります。
12月2日は地域防災の日です。家族揃って地域の訓練に参加しましょう。
(文:静岡県地震防災アドバイザー 郷 隆志)

最終更新日時:

カテゴリ