【アイサポ防災コラム】その35:コロナ禍で巨大地震が起きたら?
東日本大震災から10年になります。地震で亡くなった方と行方不明になった方、この地震が原因で亡くなった災害関連死を合わせると2万2千人が命を失う大災害でした。
視覚障害者を含む災害時要支援者の死亡は、健常者の2倍という調査結果があり、その多くの方は津波に巻き込まれていました。
そしてこの2月13日夜、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3。福島県と宮城県で最大震度6強の地震が発生して、御殿場市と富士市で震度4を観測するなど、各地で振幅の大きな揺れを感じました。これは日本列島の下に沈み込んでいる海側のプレートの中で発生したため、津波は、最大でも20センチ程度で、震度1の揺れは北海道から中国地方に及びました。
この地震は10年前の東日本大震災の余震ということで、今更ながら大自然の驚異を感じます。
東北の被災地は復興途上ですが、更に新型コロナウイルス感染拡大の経済的大打撃で復興にブレーキが掛かっています。
気象庁では毎月、大規模地震の切迫性が高いと指摘されている南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況を定期的に評価するため「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、地震防災対策強化地域判定会」を開いています。2月5日の評価は「現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて、相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません」ということですが、簡単に言うと巨大地震発生の兆候は無いと言うことです。
但し、静岡県民に甚大な被害が想定されるマグニチュード8から9クラスの南海トラフ巨大地震は、今後30年以内に発生する確率が70から80%で、1946年12月21日に起きた昭和東南海地震と32時間後の昭和南海地震の発生から70年以上経過していて、次の大地震発生の切迫度は非常に高くなっています。
大地震が発生した時や大地震発生に備えて避難情報が出たら、まず決めてある避難場所に避難することです。自宅が安全であれば避難の必要はありません。
避難所はコロナの心配がと言う人が少なくありませんが、コロナ対策を優先して大地震で命を落としては、まさに「生き延びなければ、その先はない」です。
理想は避難しなくても良い建物の耐震化と家具固定です。
食料の備蓄など我が家の防災を見直して下さい。
(防災アドバイザー 郷隆志 )