【アイサポ防災コラム】その55:大雨特別警報の配信を終了して大丈夫?
相変わらす新型コロナウイルスの収束は先が見えませんが、先日、WHO=世界保健機関は新型コロナウイルスの現状について、世界全体で死者数が依然として多く、変異ウイルスのリスクもまだよくわからないとして、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態の宣言を当面続ける方針を明らかにしたと報じられました。いまマスク着用に賛否が分かれていますが、防災の基本である自助の観点から言うと、視覚障害者は周りの様子を把握しにくいので、マスクを着用した方が安心です。
さて9月の台風15号の時には、記録的短時間大雨情報が静岡県西部、中部を中心に11市町に合わせて16回、のべ32回発令されました。氾濫危険水位、氾濫開始水位相当、避難判断水位などの情報も発表されました。テレビやラジオ、防災ラジオや防災メールは避難情報などを引っ切り無しに伝えていました。
ところで皆さんは異常気象時に出される警報や注意報をどの位知っていますか?
大雨特別警報、大雨以外の特別警報、高潮警報、土砂災害警戒情報、高潮以外の警報、高潮注意報、高潮以外の注意報、高潮注意報などがあり、異常気象時にテレビ・ラジオ、エリアメールや防災無線で伝えられています。
気象庁のホームページによりますと、特別警報とは、住んでいる地域が数十年に一度の、これまでに経験したことのないような重大な危険が差し迫った異常な状況にあり、この数十年間災害の経験が無い地域でも警報の発表基準をはるかに超える大雨や大津波等が予想され、重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に発表され、最大級の警戒を呼びかけるものとされています。
ところが気象庁は9月18日、防災気象情報を知らせる緊急速報メールのうち、大雨や噴火などの特別警報の配信を12月末で終了すると発表しました。緊急速報メールについて、対象となる市区町村の具体的な地域が記されておらず、住民の避難を促す情報としては不十分なことや、防災アプリなど防災気象情報の提供環境が充実していることなどを理由としていますが、緊急地震速報や津波・大津波警報の配信に限って継続するとしています。
気象情報が出されたら正しく知って正しい判断を!危険地域では速やかな安全行動を!
(防災アドバイザー 郷隆志)